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2013/06/28 (Fri)

平成25年度新作名刀展 

平成25年「新作名刀展-現代の刀工と刀職」開催にあたり
  ・・・・・公益財団法人日本美術刀剣保存協会

昨年の公益財団法人認定により、きわめて社会的意義の高い責務をもった本協会が行う事業の中で、新作名刀展はその歴史も、斯界に果たすその役割も、これまで以上に重く、かつ深くなって参りました。
 また昨年から巡回展に埼玉の川越市立博物館も加わり、当刀剣博物館と山形の致道博物館との3館での展示となり、ますます充実性を増す展覧会となって参りました。現代に刀剣を鍛え作品を残す作家達は、後世への遺産となるかけがえのない技術の継承者として日々精進しています。
 本展覧会は、その作家達が21世紀の芸術家の一員として如何に優れ、作刀に邁進していたかの証として、後世評価される事業となるでしょう。公益財団法人である本協会は、この活動をこれまで以上に充実させ、またさらなる発展を目指す所存です。
 本協会は日本刀という世界に希有な鉄の文化財を守り、その制作技術を保存・伝承するための重要事業として我が国固有の製鉄法である「たたら吹き」を行っております。それは同時に日本文化の一端を守るという社会的負託を課され、その実践を任されていることと同義であります。「新作名刀展」出品作は、この「たたら吹き」で生産された玉鋼をその原料として制作されたものであり、「たたら吹き」が作刀技術の支えとして、その意義を遺憾なく発揮しているといえましょう。
 この展覧会が前身の作刀技術研究会より新作名刀展へ衣替えしてから、来年はいよいよ50回を迎えます。半世紀を経過し、作刀技術の向上と作刀人口の増加を見ることができ、斯界は新たな時代へと歩みを進めて参ります。
 日本の伝統技術の粋である日本刀の傑出した「くろがねの美」を心ゆくまでご堪能ください。そして今後の「新作名刀展」の一層の発展に向けて、ますますのご愛顧とご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりますが、「新作名刀展」開催に当たり、ご協力くださいました関係各位に衷心より厚く御礼申し上げます。
平成25年6月28日
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「新作名刀展」 平成25年6月29日(土)~7月18日(木)
主催:公益財団法人日本美術刀剣保存協会・公益財団法人致道博物館 
共催:山形県・公益財団法人山形県生涯学習文化財団・鶴岡市教育委員会・日本美術刀剣保存協会庄内支部
刀工の銘切実演 上林恒平氏(山形県)
                   6月29日(土)午前11時~午後4時
                   7月 7日(日)午前11時~午後4時
                   7月14日(日)午前11時~午後4時

出品:
◎作刀の部 
無鑑査:吉原義人(東京都)・上林勇二(山形県)・山口武(岩手県)・河内道雄(奈良県)・宮入法廣(長野県)・吉原義一(東京都)・古川信夫(長野県)・松田周二(千葉県)
特別出品:尾川邦彦(岐阜県)
●太刀・刀・脇指・薙刀・槍の部
日本美術刀剣保存協会会長賞:松葉一路(宮崎県)
優秀賞:加藤政也(栃木県)・曽根寛(島根県)・北川哲士(滋賀県)・高見一良(兵庫県)
努力賞:小宮治氣(福岡県)・森國利文(福井県)・石田智久(群馬県)・上畠誠(埼玉県)
●小脇指・短刀・剣の部
優秀賞:新保基治(新潟県)・加藤政也(栃木県)
努力賞:高橋祐哉(群馬県)・宮下輝(長野県)

◎刀身彫の部
優秀賞:片山恒(岡山県)
努力賞:入江万里(フランス)・上林勇二(山形県)・橋本太郎(埼玉県)

◎彫金の部
無鑑査:玉岡俊行(愛媛県)・成木一彦(岐阜県)・古山義和(岐阜県)
日本美術刀剣保存協会会長賞:山下秀文(愛媛県)・羽川安穂(宮城県)
優秀賞:宇津木光良(東京都)・川島義之(静岡県)・福興裕毅(静岡県)
努力賞:柳川清次(千葉県)・山口石根(兵庫県)

◎外装の部
●拵の部
優秀賞:久保純一(福岡県)・伊藤俊克(愛知県)
努力賞:曽我部明(大阪府)
●柄巻の部
無鑑査:三谷修史(香川県)・坂入真之(愛知県)
優秀賞:久保純一(福岡県)・橋本幸律(岡山県)・飯山隆司(東京都)
努力賞:笹原喜幸(東京都)
●鎺の部
無鑑査:羽川安穂(宮城県)
優秀賞:三島幹則(愛媛県)・宮本恒之(千葉県)

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刀剣博物館     平成25年5月14日(火)~6月16日(日)
川越市立博物館  平成25年9月21日(土)~10月6日(日)
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