2015/09/11 (Fri)

名物帳にみる藤四郎

名物帳にみる藤四郎
平野藤四郎 在銘長9寸9分  松平加賀守殿


烏丸藤四郎 在銘長8寸5分  京都町人三木某


岡山藤四郎 在銘長8寸5分  尾張殿


厚藤四郎   在銘長7寸2分  代金五百枚  御物


信濃藤四郎 在銘長8寸2分  代金五百枚  酒井左衛門尉殿


増田藤四郎 在銘長8寸6分  代金三百枚  松平越後守殿


後藤藤四郎 在銘長9寸1分半 代金三百枚  尾張殿


前田藤四郎 在銘長8寸1分  松平加賀守殿


朱銘藤四郎 長8寸        代金三百枚  御物


無銘藤四郎 長8寸7分半    尾張殿


朝倉藤四郎 在銘長7寸8分  代金百枚   御物


清水藤四郎 在銘長7寸5分  代金三千貫  今清水御殿


毛利藤四郎 在銘長8寸7分半 松平大炊頭殿


鍋島藤四郎 在銘長7寸7分   代金百五十枚  御物


岩切長束藤四郎 在銘長7寸6分半 代金七十枚  奥平美作守殿


乱藤四郎   在銘長7寸4分半 代金六十枚  阿部豊後守殿


追加の部


小乱藤四郎  長7寸2分半    菅廟ノコメ物


北野藤四郎  長8寸2分半    菅廟ノコメ物





博多藤四郎  長8寸1分半    代金三百枚  小笠原右近将監殿


焼失の部


一期一振藤四郎 入銘長2尺8分 御物


骨喰藤四郎 無銘長1尺9寸6分 御物


大阪新身藤四郎 有銘長9寸3分 大阪御物


江戸新身藤四郎 有銘長9寸5分 御物


豊後藤四郎 長9寸6分       御物


長岡藤四郎 有銘長8寸2分    無代  御物


車屋藤四郎  有銘長8寸2分   無代  御物


米沢藤四郎  長8寸7分      無代  御物


凌藤四郎   長8寸8分       無代  御物


鯰尾藤四郎  裏に銘有長1尺2寸8分   無代  御物


親子藤四郎  有銘長7寸4分   無代  御物


包丁藤四郎              御物


足利飯塚藤四郎 長9寸3分   代三千貫  御物


薬研藤四郎  長8寸3分    無代  信長公御物


樋口藤四郎  長8寸     代七千貫   御物


大森藤四郎  長8寸2分   代九千貫   御物


塩河藤四郎  長8寸     代金二百枚  御物


真田藤四郎  長8寸1分   御物


                   御物は将軍家


江戸時代には粟田口藤四郎吉光、相州正宗、越中郷の義弘の作を三作と称して珍重した。
吉光は、鎌倉中期山城国粟田口派の刀工で、国吉の子と伝え、短刀の名手として聞こえている。
太刀は極めて少なく、現在のところは一期一振と号する太刀が知られているだけである。
短刀は典雅な姿に作り、直刃の刃文を巧みに焼き、地肌は小板目がつまって美しく、上手に小丸の帽子を焼いている。
古書に彼の見どころとして「焼き出しに小豆を並べたような乱れを焼く」と伝え、また、ふくらの刃が細いこともこの工の手くせとしてあげている。銘振りは頗る暢達であり、他工の追随を許さない。
享保名物帳に所載の吉光は巻頭から16口、焼失の部に18口、さらに追加の部に4 口あって、計38口の多きに及んでいる。彼の名声は、正宗と並んで室町時代から高く、以後においても大いに賞美されたのであって、彼の作風に見る品格と重厚の味わいを鑑賞していただきたい。(昭和43年「名物帳」展於小田急百貨店 より、吉光の記述部分)
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写真:刀剣名物帳(芍薬亭本・国会図書館蔵)