2011/10/24 (Mon)

文化財の盗難事件ー昭和61年  未だ戻らず 

 昭和61年、鶴岡市・酒井家土蔵から重要文化財「備前兼長」「粟田口吉光」「備前長船住元重」など16点が奪われた事件がありました。
 犯人は2人組で平成元年(1989)埼玉県警本庄署で逮捕、1都22県で約300件当時総額22億円の盗みをしていたことが判明、県内では酒井家のほか、米沢での犯行を自供しました。一部返却されたものの、その他は不明となっています。
 公表されまた盗難手配されている特徴ある文化財を譲渡取得するものは、絶対に、善意の第三者ではありえません。文化財等を取得するときは、上記にあるように完全な履歴を、博物館にかぎらず、それぞれが懸命に検証し、盗品等でないことを確認して譲渡取得すべきと思います。
 時折、元重等が売買にでたという話を聞くことがありますが、わかりきっていながら、なんでそれが善意の第三者かと非常に悔しく腹立たしい思いをいたしました。欧米では、文化財については、時効、善意の第三者制度はなく、即返還しなければなりません。それだけ国や地域の誇りとして大切に扱われている証左なのでしょう。
 指定文化財の盗難等については、「時効」、「善意の第三者」制度を日本でもなくすべきであると考えます。指定文化財等は、所有形態が個人、法人等問わず、その地域のあるいは国の貴重な大切な文化遺産、その地域、国のものと考えるからです。
 最近、盗難にあった備前元重、別名見返り元重が、動くという情報がありましたが、その譲渡売買は、決して容認できるものではありません。
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備前長船住元重     

重要文化財 刀  鎌倉時代
銘文:折返銘 備州長船住元重
金象嵌:見返 昔某氏斬人其人顧後而為ニ依名之
     元録ニ巳夏熊本候所贈於
     養世公今滋明治元辰秀授臣菅実秀忠篤
長さ: 70cm
姿:  鎬造り、大きく磨り上げて返り浅く中鋒となる。
刃紋:中直刃に小丁子、小互の目交じり、足、葉入り、
    冴えて元重中の白眉と称す。
所有:酒井忠明