2011/10/24 (Mon)

日本名刀と名作金工展  昭和24年

昭和24年5月8日から5月15日まで本間美術館で「日本名刀と名作金工展」が開催されました。その機会に日本美術刀剣保存協会の庄内支部が本間美術館を事務所として結成されました。其の後致道博物館が創設され庄内支部事務所を致道博物館とされ現在にいたっております。
「日本名刀と名作金工展」の解説書に当時の本間美術館館長本間祐介氏は下記の通りご挨拶をのべられました。

会期:自昭和24年5月8日
   至昭和24年5月15日
会場:本間美術館
主催:本間美術館・酒田美術協会
後援:国立博物館
   日本美術刀剣保存協会
   山形県教育委員会

本間美術館開館2周年を記念して、わが国の特殊な美術として世界に知られる、日本刀の粋と、刀装金工の名作を、一堂に蒐めて、これを展観する機会を得たことは、主催者の大きなよろこびである。敗戦の我が国民に、武器の保存を許されぬことは当然であるが、しかし古来、名刀と呼ばれた日本刀には、武器としては全く必要のない、あまりにも多くの美しさを見いだすことが出来る。そして、その姿、焼刃の美しさや、鍛え、刀装の美しさを心静かに鑑賞するのが、わが国民、ことに愛刀家の無上の楽しみであり、名刀に対するその態度でもあったのである。この日本名刀の持つ高い美術的価値と、日本刀に対するわが国民の特殊な趣味についての、連合国軍最高司令官並びに米第8軍司令官の深い理解と好意がわが政府に対して刀剣保存に関する数次の覚書となって現れ、日本刀を武器的刀剣と美術的刀剣及び高度の記念品としての刀剣とに二分して、武器の剣は没収し、美術の剣は永く国民に保存させることになったのである。この連合軍最高司令官の特別なる好意は、単に愛刀家のみならず国民斉しく感謝せねばならぬところであって、このことをわが国民に普く知らしめると共に、日本刀は今後高度の美術品か記念品としてのみ存在すること、そして世界に公認された、この美術刀剣に対する国民の認識と正しい鑑賞の指導、完全なる保存の奨励等のため催されたのが、昭和22年春国立博物館主催の日本名刀大展覧会であり、かようの目的のために設立されたのが財団法人日本美術刀剣保存協会である。今回本間美術館主催の「日本名刀と名作金工」の展覧会も全くその目的を一にするものであり、22年博物館で展観された多くの御物を始め、天下の名刀の中より更に名品を厳選して、各時代を代表する名刀、名作金工を網羅し、国宝重美50点、その他刀装の変遷を知る貴重なる資料多数を配した極めて豪華なものであって、東北地方では嘗て試みられたことがない。古来名刀といえば、五郎正宗や、その弟子の貞宗、あるいは古く三條鍛冶宗近の名は三才の童子もこれを知る、而もその正真の実物に接することは至難中の至難と云うよりむしろ不可能に属した。これ等名刀50点を、適切なる解説とともに目のあたり鑑賞することの出来る絶好の機会を、愛刀家は勿論、教育家も学生も婦人も老人もよろこび迎えていただきたい。尚この機会に、日本美術刀剣保存協会の庄内支部を本間美術館を事務所として結成することになった。その趣意は前述の通りであるが、大方の御賛成と御入会を望んで止まない。(本間祐介)
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太刀 国宝 銘三條(名物三日月宗近)  国立博物館保管
太刀 国宝 銘久國           個人蔵
短刀 重文 銘吉光(信濃藤四郎)    個人蔵
太刀 国宝 銘國行           個人蔵
太刀 重美 銘國俊           個人蔵
太刀 国宝 銘来國俊          個人蔵
太刀 国宝 銘来國光          国立博物館蔵
太刀 国宝 銘包永           国立博物館保管
太刀 国宝 銘國宗           個人蔵
太刀 重美 銘助真 附助真拵      個人蔵
短刀 重美 銘國光           個人蔵
短刀    銘行光           個人蔵
刀  国宝 金象嵌銘正宗(名物中務正宗)国立博物館保管
短刀 国宝 無銘正宗(名物包丁正宗)  個人蔵
刀  重美 無銘田貞宗 附刀拵     個人蔵
太刀 重美 銘兼氏   附刀拵     個人蔵
刀  国宝 金象嵌銘天正13江(名物稲葉江)個人蔵 
短刀 国宝 銘則重           個人蔵  
太刀 国宝 銘備前國友成造       個人蔵
太刀 国宝 銘正恒           個人蔵
太刀 国宝 銘信房   附衛府太刀拵  個人蔵
太刀 国宝 無銘一文字(名物山鳥毛一文字)個人蔵
太刀 国宝 銘光忠           個人蔵
太刀 国宝 銘守家           個人蔵
太刀 国宝 銘長光(名物大般若)    国立博物館蔵
太刀 国宝 銘長光           個人蔵
太刀 国宝 銘備前國長船住景光     国立博物館蔵
太刀 国宝 銘守次   附刀拵     個人蔵
太刀 国宝 銘筑州住左(名物江雪左文字)個人蔵
短刀 国宝 銘左 筑州住        個人蔵
太刀 国宝 銘豊後國行平        個人蔵
太刀 国宝 銘山城國西陣住埋忠明壽(花押)個人蔵
刀  国宝 銘國廣           国立博物館保管
刀  重美 銘出羽大掾藤原國路     個人蔵
刀  重美 銘津田越前守助廣      国立博物館保管
刀  重美 銘以南蛮鐵於駿州越前康継  個人蔵
刀  重美 銘長曽禰興里入道虎徹    個人蔵
刀  重美 銘藤原直胤         個人蔵

鍔  重美 金家 漁舟図        国立博物館保管        
鍔  重美 金家 山水図        個人蔵
鍔     信家 弓矢八幡図      個人蔵
鍔     信家 網目図        個人蔵
鍔  重美 又七 九曜唐草図      個人蔵
鍔     又七 八角形 竹透図    個人蔵

拵     金銀鈿装唐太刀(模造) 1口  国立博物館蔵
拵     飾剣          1口  国立博物館蔵
拵  国宝 兵庫鎖太刀 号上杉太刀 1口  国立博物館蔵
拵  国宝 革包太刀(笹丸拵)   1口  国立博物館保管
拵     牡丹造 腰刀(模造)  1口  国立博物館蔵
拵  重美 銀鈿朱塗藤花大小拵   1揃  個人蔵
拵     藤丸拵 腰刀(模造)  1口  国立博物館蔵
拵     柏耳木菟 腰刀(模造)  1口  国立博物館蔵
拵  国宝 金熨斗付糸巻太刀    1口  国立博物館保管
拵  国宝 金熨斗付付合口     1口  国立博物館保管
拵     毛抜形衛府太刀     1口  国立博物館保管
   重美 宗珉二所物 睡布袋図  1揃  個人蔵
   重美 宗珉小柄 枝牡丹図   1本  個人蔵
      後藤祐乗五所物腰刀拵獅子図1口 個人蔵